<フリーフォームの靴のフィッテイング>

●既成靴が日本に入ってきてから140年の現状

 日本に靴が入ってきたのはおよそ140年前。洋服とならんで洋靴(ようか)として和服のこの国に入り、生活スタイルの西洋化が急速に始まりました。片やヨーロッパではおよそ800〜1000年前には靴の原形は完成していたといわれています。その差は大きく、高度経済成長を経て国内では靴は急速に普及しましたが、いかに効率よく大量に売りさばくかが靴の販売の中心目標で、お客様の様々な足の形に一足一足合う靴を探すというような、フィッテイングの文化はいまだ普及しているとは言えません。
 日本では2020年現在、アパレルが服飾文化の中心であり、靴は「小物」とよばれるセカンドアイテムにすぎません。ほとんどの消費者がデザインで靴を選び、WEB販売がそれ拍車をかけています。合わない靴を履くことで生じる、足の健康被害も1990年頃から社会問題となり、足に負担の少ないコンフォードシューズが脚光を浴びますが、高額なこともあり長年不況の日本ではなかなか普及しないのが現状です。替わりに安価なスニーカーが大量に市場に出回り、価格とデザイン性に偏ってしまう消費者を、しっかり説得出来る販売スタッフが育たなくなっています。
 

●足を守る機能と、デザインの両立

 靴にとって大切な機能は足を守る機能です。しかし守る機能ばかりでは消費者は満足しません。足を飾ることと、守る機能。この2つが同時に求められているのです。機能性と、デザイン性は元々相反する要素です。足に優しいソラマメ型の靴はエレガントではありません。反対にヒールの高い不安定さをデザイン化するパンプスは長時間使用は足を痛めます。しかし、どちらが優れているのかでは無く、どちらも人の生活に必要な要素です。そのバランスをうまくデザイン化した商品を、毎年数あるサンプルの中から探す事が私達の仕事であると考えています。大変難しい作業ですが、仕入れこそが私たちの本質であり、世の中に対する問いなのです。

●ファッション既成靴としてのフィッテイング(フットゲージ測定)

 吟味して仕入れた商品を出来るだけ正確に売りたい。と考えフィッテイングを導入しました。フットゲージでレングスを測る計測を行います。これはコンフォートシューズの販売ではかなり簡略化した計測ですが、我々はコンフォードシューズショップではありません。ファッション既成靴を販売する専門店ですから、計測はシンプルに簡略化し、時間を短縮しました。ですが、レングスを計測するだけでも多くの情報が得る事が出来、無駄な試着が減ります。なぜこの靴が合わないのか?という問題解決の場面でもレングスの情報が有る無しでは問題に対する対処方の正確さが変わってきてしまいます。それほど靴を販売する際に大切な作業の一つとなっています。
 

●洋服と靴のトータルフィッテイング(試着)

 ファッション既成靴を販売する専門店ですから、試着時のフィッテイングも履いた靴の8ポイントを手で触って、目で見て確認します。これもコンフォードシューズショップから見ればかなり簡略化した手法ですが、既成靴は元々コンフォートシューズのような機能性(中敷きを調整出来たり、加工等に対応するような作り)をもっていませんので、同じようなフィッテイングを行っても技術的に対処できないのです。その代わり、私達のフィッテイングは洋服とのあわせも加味したフィッテイングを行います。足との係り(機能性)と、洋服との係り(デザイン)両方をフィッテイングするトータルなフィッテイングです。

お客様の様々なお悩みをすべて解決できるとは考えていません。

ですが、以上のような地道な取り組みを続けることで、僅かですが、お客様のお悩みが5%でも10%でも解決出来ると確信しております。




<フィッテイングについて>
フィッテイングはもちろん、ショップに直接ご来店いただき、シューフィッター資格を持つスタッフに専用のケージで測定していただくことがベストですが、ご自宅で専用シートでご自身で測定いただく方法のほか、リモートオンラインでスタッフがアドバイスしながら、ご自宅Dえ計測する方法もございます。お気軽にお試しください。

【ショップで】

1.お好みのデザインを伺いながら、サイズが合うものを提案します。
  (サイズが合う靴の中で、更に木型が近いものも提案します。)
  その際、商品の魅力、作り、素材等の手短な説明をいたします。



2. フットゲージでのレングス/足長の計測
  ファッション既成靴の販売であることを考慮して、足幅、足周、等の計測は省略しています。
  お客様お一人に対する接客時間は40~50分。長くても1時間前後と考えており、ある程度のスピード感が求められるためです。
 


3. 座位での計測。



4. 立位での計測。



5. 足の傾向の観察
 (足の形の傾向を足を見て把握する。主に踵の大きさ、アーチ形成、奥先甲の高さ、MPの幅、指の外反内反の有無、炎症ケガの有無。)



6. お好みのデザインを伺いながら、サイズが合うものを試着
  (踵を付けた状態で、靴紐、ストラップで固定する。)







7. フィッテイング。8~9ポイントを触って確認。
 (フィッテングは必ず踵からスタートします。踵がしっかり靴についた状態をキープできるかどうかがポイントです。その他、内外踝、履き口、アーチ、甲奥、甲先、MP関節、つま先位置捨て寸、つま先高さ等)







8. お好みで足に合うもの、ややお好みである程度足に合うもの
  お好みではないが足に合うもの、などのモデルを3〜4選出し、絞りこみます。実はここからが靴選びの大事な過程で、お客様のお好みと、お客様の足に合う靴が合致していればそのままご購入に進むことが出来るのですが、そうでない場合、お好み(お洋服に合うなどの要素も含む)を汲みながら、足入れも考慮しつつ選出した3~4モデルの中から双方が歩み寄ったモデルをお客様に提案していく作業が必要になります。

9. 最初からお好み優先で靴を選出すると、最終選考の場面で結局足に合わない
 ケースが多発して「可愛いけど、どれも足に合わない」という判断に至ってしまいます。
 逆にそれはお客様には合わないからと言って、お好みを全く汲み入れない選出はご試着すらして頂けないことになります。

10. もうほぼモデルが決まる最終の場面で、商品の更に詳しい説明をします。
  その靴のメーカーのストーリー。デザインの優れているポイント。
  お客様のお洋服や、お手持ちのBAGなどとの合わせの提案など。




 ついに、足に合っていて、お好み目的にも近い靴を選び出しました!
 選び出した靴は足とファッションに合う一つの「到達点」です。



11. 微調整が必要な場合は調整を施します。
  ストレッチャーによる部分伸ばし調整(関節等が当たるポイント調整、MP関節などの幅出し調整)。



12. クッション材等によるパッディング(中敷き調整。特製のパッドによる甲パッド調整)。
    過度なパッド調整は行わないように注意しています。
    ※当店はコンフォードシューズの販売店ではありませんので、中敷きの製作販売はしておりません。
 



<ご自宅で>

本来ならば、対面でのフィッテングを基本としていますので、直接お客様をフイッテングすることが一番良いのですが、ご自宅でもご自身で測定することができます。
以下より、フットゲージ(専用測定シート)をダウンロードして出力してください。

  フットゲージをダウンロードする 

次に、専用測定シートの所定の位置にご自身の足を置き、壁に背中をつけ、サイズを測定してください。
測定したサイズを電話やメールなどでご注文の際に、お伝えいただくとスムーズです。

<リモートで>

ご自宅で専用測定シートの見方や測り方がよくわからない、不安であるという方は、オンライン会議システム「ZOOM」を使って直接アドバイスさせていただく試みを現在準備中です。


<リペア>

履き慣れた頃、サイズ調整や改修が必要な場合は、当店購入商品でしたら、無料でリペアします(材料費等、別途有料)。
お気軽にお問い合わせください。

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